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Chen, J.; 前川 康成; 吉田 勝; 坪川 紀夫*
Journal of Polymer Science, Part B; Polymer Physics, 40, p.134 - 141, 2001/11
被引用回数:7 パーセンタイル:27.52(Polymer Science)N-イソプロピルアクリルアミドに基づくポリマーゲルは、水中において、外部環境から僅かな温度刺激を受けるとゲル体積が著しく変化することが知られている。この体積変化を電気伝導度から調べる目的で、線重合反応を利用してポリマーゲル電解質(PGE)を合成した。PGEのゲル体積は、32付近の温度で急激に変化し、この温度を境に低温側で膨潤、逆に高温側で収縮した。このようなゲルの温度特性を電気伝導度から調べたところ、ゲルの膨潤収縮挙動と良く一致することがわかった。この結果から、ポリマーの構造変化を調べる手段として、電気伝導度測定が有用であることが結論できた。
Chen, J.; 吉田 勝; 前川 康成; 坪川 紀夫*
Polymer, 42(23), p.9361 - 9365, 2001/11
被引用回数:31 パーセンタイル:72.25(Polymer Science)塩化カルシウムを含むアルコール溶液中でN-イソプロピルアクリルアミドを放射線重合して得られた高分子素材を温度応答性蒸気センサーに応用した。センサー素材の電気伝導度は、温度変化に追従して、水とエタノール蒸気中で顕著に変わることがわかった。すなわち、電気伝導度は昇温と共に、エタノール蒸気中で増加、逆に水蒸気中で減少する傾向を示した。二つの蒸気が電解質に対し正反対の応答を示すことから、有機溶媒中に含まれる微量の水を測定するための濃度計を試作し、性能を評価した。その結果、電気伝導度と水の濃度の間で良好な直線関係が得られた。
廣木 章博*; 前川 康成; 吉田 勝; 片貝 良一*
Polymer, 42(15), p.6403 - 6408, 2001/07
被引用回数:9 パーセンタイル:38.25(Polymer Science)線照射時の温度及び照射線量を細かく制御して合成したアクリロイル-L-プロリンメチルエステルゲルの膨潤-収縮速度を比較検討した。0と40の間の温度変化に伴うゲルの膨潤収縮速度は、ゲル化時の温度に大きく影響されることを見いだした。膨潤状態から収縮平衡に達するのに、LCSTより低温側で合成したゲルでは6時間、高温側で合成したゲルでは1分であることがわかった。また、SEMによる内部構造観察から、LCSTより低温側で合成したゲルは、収縮過程においてゲル表面を形成することがわかった。それに対し、高温側で合成したゲルは被覆を形成せず、多孔構造を保持していた。この被覆の存在がゲルの収縮速度を低下したと考えられる。ゲル化温度がLCSTより低温側では、ポリマー鎖が伸びた状態で架橋するのに対し、高温側では糸繭状態で架橋する。この差異が、ゲルの架橋構造を均一・不均一にし、被膜の形成を引き起こしたと推察される。
Hendri, J.*; 廣木 章博*; 前川 康成; 吉田 勝; 片貝 良一*
Radiation Physics and Chemistry, 61(2), p.155 - 161, 2001/05
被引用回数:2 パーセンタイル:19.66(Chemistry, Physical)メタクリロイルL-アラニンイソプロピルエステル(MA-AlaOiPr)とメタクリロイルL-バリンメチルエステル(MA-ValOMe)は、ポリマー側鎖の異なった位置にメチル基とイソプロピル基をもつ位置異性体である。温度変化に追従したポリマーの体積相転移(VPTT)から、疎水基(メチル基とイソプロピル基)の位置効果を評価するため、32にVPTTをもつメタクリロイルL-アラニンメチルエステルと位置異性体を共重合した。コポリマーのVPTTと組成の直線プロットから求めたMA-AlaOiPrとMA-ValOMeのVPTTは、-25と-78に存在することがわかった。この結果から、アミノ酸残基にイソプロピル基を含むMA-ValOMeの方がMA-AlaOiPrに比べ、より強い疎水の場合をポリマー側鎖に付与できることが明らかとなった。
Hendri, J.*; 廣木 章博*; 前川 康成; 吉田 勝; 片貝 良一*
Radiation Physics and Chemistry, 60(6), p.617 - 624, 2001/03
被引用回数:33 パーセンタイル:89.5(Chemistry, Physical)アクリロイル-L-プロリンメチルエステル(A-ProOMe)とアクリル酸(AAc)を含むモノマー水溶液系に線を照射した場合、これらのモノマーは重合の過程で架橋反応が同時に進行することが知られている。この放射線重合反応を利用して、コポリマーゲル膜を合成し、温度、pH変化に追従した疎水性、空孔率、カルボキシル基などの変化と金属イオンの膜透過特性について調べた。70/30mol%A-ProOMe/AAcコポリマーゲル膜を用いて、30で金属イオンの透過挙動を調べたところ、リチウムイオンがpH4.75以下で、セシウムイオンがpH4.65e以下で透過しなくなることがわかった。この透過挙動の違いを利用して、リチウムイオンとセシウムイオンを選択的に分離した。
廣木 章博*; 前川 康成; 吉田 勝; 窪田 健二*; 片貝 良一*
Polymer, 42(5), p.1863 - 1867, 2000/12
被引用回数:41 パーセンタイル:79.55(Polymer Science)温度応答性アクリロイル-L-プロリンメチルエステル(A-ProOMe)ゲルの体積相転移挙動を水とアルコールの混合溶媒系中で調べたところ、系中のアルコール成分の増加とともにゲルは、膨潤-収縮-再膨潤-再収縮と体積総変化を示すことがわかった。一方、温度応答性N-イソプロピルアクリルアミドゲルの場合、再収縮挙動は存在しないことが知られている。そこで、A-ProOMeゲルで観察された再収縮挙動の原因を明らかにするため、赤外分光法で解析を試みた。その結果、再収縮挙動は系中のアルコール成分の増加によって、水素結合性カルボニル基の割合が変化するため起こるとわかった。
廣木 章博*; 岩上 秀明*; 吉田 勝; 諏訪 武; 浅野 雅春; 片貝 良一*
Designed Monomers and Polymers, 3(3), p.381 - 387, 2000/00
被引用回数:3 パーセンタイル:15.53(Polymer Science)-アミノ酸の側鎖アルキル基をメチル、エチル、プロピルと変化させたメタクリロイル-DL-アミノ酸メチルエステル(MA-DL-AAOMe)を合成し、放射線重合させて得られたゲルについて、温度変化に追従した膨潤収縮挙動を側鎖アルキル基の疎水性と関連づけて調べた。メタクリロイル-DL-アラニンメチルエステル(AA=Ala)ゲルの場合、22C付近で体積相転移を示した。このゲルは、22C以下の温度で膨潤、逆にこの温度より高くなると収縮する。一方、メタクリロイル-DL-アミノ酪酸メチルエステル(AA=Abu)及びメタクリロイル-DL-2-アミノ吉草酸メチルエステル(AA=nVal)ゲルでは、0C60Cの測定温度範囲で、いずれも収縮状態(1以下の膨潤率)のみを保つことが分かった。このようなゲル(AA=Abu及びnVal)に膨潤収縮挙動をもたせるため、温度応答性をもつMA-DL-AlaOMeとの共重合を検討した。その結果、所定の温度における体積転移組成と組成の関係から求めた体積相転移温度は、MA-DL-AbuOMeゲルが-35C、MA-DL-nValOMeゲルが-58Cの値を示すことが分かった。
幕内 恵三
ポリマーダイジェスト, 51(10), p.81 - 100, 1999/10
放射線分解と放射線重合の現状と動向について解説した。分解と重合の放射線エネルギー利用効率にはかなりの差があり、放射線分解のG値は十以下であるが、重合のG値は数百以上である。既に実用化されている放射線分解でポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の粉末化と最近ドイツで工業化されたセルロースの放射線分解によるビスコースレーヨンの省資源・環境保全プロセスを解説した。次いで原研が見いだした海洋系多糖類の放射線分解生成物の生理活用作用を紹介した。放射線重合では木材・プラスチック複合剤とハイドロゲルの工業化は困難と思われる。放射線重合で今後の研究開発が期待される分野としてカチオン重合性モノマーの電子線乳化重合をとりあげた。本技術の開発によって従来の乳化重合では不可能であったような新しい水系樹脂が誕生する可能性がある。
光量子科学センター
JAERI-Review 97-004, 62 Pages, 1997/03
本報告書は、大阪支所において平成7年度に行われた研究活動をまとめたものである。主な研究題目は、レーザー有機化学反応の研究と放射線加工技術の基礎研究であり、本報告書では以下の研究活動について詳細に述べる。レーザー光による物質変換、レーザー光による高分子の表面化学反応、放射線による微細加工、放射線による金属微粒子の合成、線量測定および照射施設の運転・管理。
吉田 勝; 長岡 範安*; 浅野 雅春; 諏訪 武; 久保田 仁*; 片貝 良一*
J. Polym. Sci., Part A, 35, p.3075 - 3077, 1997/00
N-イソプロピルアクリルアミド(NIPAAm)は62Cに融点を持つ結晶性モノマーであり、水に可溶である。このモノマーを、融点以下での結晶状態、逆にこの温度以上での溶融状態、あるいは水に溶解させた状態で放射線を照射すると、いずれの計においても、重合が起こることを見い出した。この場合、放射線による重合過程で、架橋剤が存在しないにもかかわらず自己架橋と分解が同時に起こることも明らかとなった。得られたポリマーゲルは、32Cで体積相転移をともなう。0Cと50Cで測定した体積変化の比は架橋密度によって影響される。そこで、この関係から、NIPAAmの放射線による重合過程での架橋と分解のメカニズムを考察した。
細井 文雄; 大道 英樹; 赤間 和博*; 粟井 浩二*; 中野 善郎*; 遠藤 さゆり*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 131(1-4), p.329 - 334, 1997/00
被引用回数:9 パーセンタイル:59.76(Instruments & Instrumentation)人工血液の合成を目的として、細胞膜の構成物質に類似の構造をもつリン脂質を基にしたモノマーを用いて線重合を行った。分子中に2個の重合性官能基をもつモノマーDODPCと、1個のみのモノマーAODPCとで重合挙動を比較したところ、DODPCの方がより速く重合すること、また、重合物の分子量もより大きくなることがわかった。水面上にこれらのモノマーを単分子膜として展開したときの圧力と占有面積の関係から、AODPCの方がより密に充填されているため重合が抑制されるものと考えられる。次に、AODPCを原料として、ヘモグロビン、コレステロール、パルミチン酸等を混合して重合させ、脂質の2層膜を合成し、人工血液とした場合の安定性を調べたところ、照射時に2層膜の外部に過剰のヘモグロビンを共存させることにより、2層膜内のヘモグロビンの安定化が図れることを見い出した。
長岡 範安*; 吉田 勝; 浅野 雅春; P.Apel*; 久保田 仁*; 片貝 良一*
Pharm. Sci., 2(6), p.265 - 268, 1996/00
N-イソプロピルアクリルアミド(NIPAAm)を水溶液系で放射線重合させ、経皮デリバリーシステムへ応用するための自己架橋型ゲル膜を調製した。30kGy照射で得たゲル膜からP-ニトロフェノールの透過は、30Cで極大に達した。電子顕微鏡観察の結果から、30Cで極大に達した原因は収縮ゲルのネットワークが不安定なため、マトリックスがポンプ効果を発現したためである。これに対し、30C以下の温度での透過抑制は、膨潤したゲルのネットワーク構造を介しての拡散が律速になることに起因している。逆に、30C以上でのそれは硬い表面バリアーの形成に起因していることが判明した。
Safranj, A.; 長岡 範安*; 吉田 勝; 久保田 仁*; 大道 英樹; 片貝 良一*
JAERI-Conf 95-003, p.434 - 438, 1995/03
-イソプロピルアクリルアミド(NIPAAm)を固相および水溶液系で放射線重合させた場合、重合過程で架橋ポリマーが形成されてくることを見出し、この架橋メカニズムをパルスNMRを用いて検討すると同時に、得られたポリマーゲルの温度応答機能に関しても調べた。固相重合系の場合、重合は、1kGy照射で比較したとき、40C付近から始まり、モノマーの融点(62C)付近で最大(100%)に達した。一方、ゲルは、水の存在下でNIPAAmを照射した時に形成されることがわかった。32C付近に体積相転移をもつこのゲルの体積変化は、50kGy照射付近で極小値を与えた。パルスNMRの実験データから、NIPAAmゲルの架橋構造は3段階からなることがわかった。すなわち、それらは、50kG以下の領域でのtree状構造、50kGy付近でのladder状構造、50kGy以上の領域でのbroken-ladder状構造からなる。
宮嶋 勝春*; 吉田 勝; 佐藤 宏*; 大道 英樹; 片貝 良一*; Higuchi, W. I.*
European Polymer Journal, 30(7), p.827 - 831, 1994/07
被引用回数:12 パーセンタイル:50.54(Polymer Science)温度応答性材料の素材であるアクリロイル-L-プロリンメチルエステル(A-ProOMe)と親水性モノマーである2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)とを放射線共重合させ、得られたポリマーゲルの温度応答挙動を活性化エネルギーEの結果から評価した。収縮プロセス及び膨潤プロセスの両方で、HEMA成分の増加と共にEの減少が観察された。この場合、膨潤プロセスのEは収縮プロセスのそれの約1.3倍大きくなることが分かった。このゲルにヘルペス治療薬であるArd-Aを包括し、薬物放出速度とゲル収縮速度の関係を調べたところ、両者の間に直線関係が得られた。これはマトリックスが収縮の際に水を押し出す、いわゆるポンピング作用を示すことによるとして説明した。
Z-L.Ding*; 吉田 勝; 浅野 雅春; Z-T.Ma*; 大道 英樹; 片貝 良一*
Radiation Physics and Chemistry, 44(3), p.263 - 272, 1994/00
被引用回数:13 パーセンタイル:73.36(Chemistry, Physical)メタクリロイル-DL-アラニンメチルエステルのポリマーゲルを放射線重合によって合成したところ、ある照射線量以上で主鎖の切断を起こし低分子量化することが分った。次に、このポリマーの量点を測定したところ、32C付近で相転移を示し、これ以下では無色透明な溶液となり、この温度以上ではポリマーが析出した。また、ポリマーゲルの膨潤におよぼす温度依存性を調べたところ、分子量が低いほど低温での膨潤率が大きく、高温では収縮に長時間を要することが分った。さらに、このポリマーゲルにブリリアントブルーを包括し、ゲルからの放出性を調べたところ10Cと40Cの間で4時間インターバルでon-off制御できることが分った。
長岡 範安*; Safranj, A.; 吉田 勝; 大道 英樹; 久保田 仁*; 片貝 良一*
Macromolecules, 26(26), p.7386 - 7388, 1993/00
被引用回数:79 パーセンタイル:96.52(Polymer Science)インテリジェント材料の合成を目的として、水の存在下でN-イソプロピルアクリルアミドを放射線重合させたところ、その重合過程で架橋したポリマーゲルが生成された。この架橋ゲルの生成に必要な照射線量は、10%(w/w)モノマー水溶液系の場合、約71Gyであった。ゲルの温度応答性を調べたところ、30C付近で典型的な低温膨潤-高温収縮の体積相転移を示した。しかし、そのパターンは照射線量により著しく異なることから、50kGy以下の線量ではトリー型の架橋ポリマーが生成し、50kGyになるとはしご型に変わったのち、それ以上の線量では一部が分解したはしご型のポリマーになっていることが考えられる。
吉田 勝; 大道 英樹; 片貝 良一*
Polym. J., 25(2), p.215 - 217, 1993/00
被引用回数:8 パーセンタイル:39.34(Polymer Science)側鎖に各種アミノ酸をもつメタクリロイルモノマーを合成し、放射線重合によってゲルを得た。これらのゲルは低温で膨潤し、高温で収縮するという可逆的な温度応答性を示した。また、側鎖アミノ酸の種類及びカルボキシ保護基のアルキル基のサイズによっては、収縮状態から非可逆的な膨潤をおこすことも見出した。このような非可逆過程をおこす臨界の温度を調べた。
吉田 勝; 浅野 雅春; 横田 勉*; 熊倉 稔
Polymer, 31, p.371 - 378, 1990/02
被引用回数:17 パーセンタイル:63.84(Polymer Science)2つの活性官能基をもつポリマー粒子を、エチルプロピオネート中で1-methacryloxybenzotriazole(MABt)とN-acryloxysuccinimide(ASu)の放射線分散重合によって合成した。ポリマー粒子の形成は、限られた濃度・組成範囲によって特徴づけられる。例えば、5%(W/V)モノマー濃度で60-40%(W)MABt組成、10%(W/V)モノマー濃度で60-10%(W)MABt組成、そして20%(W/V)モノマー濃度で100-90%(W)MABt組成が、それに相当する。上記モノマー濃度での平均粒径は、各々1.6、0.7、そして2.5mになる。これらの活性官能基の反応性は、モデル化合物としてethanolamineを用いて検討した。極大反応性は、MABtに対しては50/50%(W)MABt/ASuコポリマー系で、そしてASuに対しては0/100%(W) MABt/ASuコポリマー系で観察された。
浅野 雅春; 吉田 勝; 福崎 裕延*; 熊倉 稔; 真下 透*; 湯浅 久子*; 今井 強一*; 山中 英寿*
European Polymer Journal, 26(1), p.29 - 33, 1990/00
被引用回数:10 パーセンタイル:49.32(Polymer Science)32-67%の結晶性をもつpoly(-プロピオラクトン)(PL)を種々の有機溶媒系を用いて低温放射線固相重合によって合成した。この場合、結晶性は、有機溶媒の種類もしくは己の量をかえることによってコントロールできる。このポリマーは、主鎖にエステル結合をもつため、生体酵素作用によって分解を受ける。このような分解は、ポリマーの結晶性に強く依存し、結果的に結晶性の減少が分解を加速する。in vivo実験系において、20週埋入後のポリマーの分解率(y)と結晶性(x)の関係は、直線となり、そこでの回帰曲線はy=1.701x+120.6(=0.985)になることが分った。
吉田 勝; 横田 勉*; 浅野 雅春; 熊倉 稔
European Polymer Journal, 26(2), p.121 - 125, 1990/00
被引用回数:12 パーセンタイル:53.9(Polymer Science)1-methacryloxybenzotriazole(MABt)とacrylonitrile(AN)をエチルプロピオネート中で線照射によって重合させたとき、均一溶液は、ポリマー粒子を形成するため、照射中に乳濁液に変化した。10%(W/V)モノマー濃度、25Cで30kGy照射したとき、ホモポリマーの粒子径は、各々MABtに対し約2m、そしてANに対し0.4mになることが分った。コポリマーの粒子サイズは、モノマー組成に従い、0.4-2mの範囲でコントロールできた。活性Bt基をもつコポリマー粒子の反応性は、一般式HN-(CH)-NH(n=2、3、5、7、9)で表わされるアルキレンジアミン誘導体との反応によって、遊離してくる1-hydroxybenzotridzole(HOBt)量から評価した。この場合、反応性はHN-(CH)-NH中のCH単位の数(n)の減少と共に直線的な減少傾向を示した。この結果にもとづいて、反応性のメカニズムおよび粒子形成メカニズムについて、その詳細な解析を試みた。